分子整合栄養医学(オーソモレキュラー療法)
分子整合栄養医学とは
分子整合栄養医学(オーソモレキュラー療法)とは、ノーベル賞を2回受賞した科学者ライナス・ポーリング博士によって提唱され、分子生物学を基礎にした治療法です。
適切な食事法やサプリメント(栄養素)を用いて、わたしたちの身体を構成する約60兆個の細胞のはたらきを向上させ、様々な症状の改善や病気の予防・治療を目的としています。
現在の栄養状態を把握するために、血液検査と尿検査を実施して検査結果を解析し、必要な食事内容やサプリメント(栄養素)をご提案いたします。蕁麻疹などのアレルギー症状がある方は、遅延型アレルギー検査、食後の低血糖症状がある方は、持続血糖測定検査、起床時からの倦怠感などの症状がある方は副腎ホルモン検査などの検査を追加します。
また、3か月~6か月ごとに検査を実施して、サプリメント(栄養素)の処方や生活指導内容を調整していきます。副作用は、ほとんどありませんがサプリメントによっては、悪心、下痢、アレルギーなどの症状が出ることがあります。
検査方法
基本検査 | 血液検査 尿検査 |
---|
栄養分析に必要な亜鉛や銅などのミネラルを含む60項目以上の検査を実施して、検査結果から必要な栄養素を分析します。症状に応じて、遅延型アレルギー検査、副腎疲労検査、24時間持続血糖測定検査、腸内フローラ検査を追加します。
費用
基本検査 | ¥16,500 |
---|---|
データ解析費用 | ¥11,000 |
診察料 | ¥3,300 |
症例 1
倦怠感、抜け毛、詰めが割れやすいなど症状があった女性の方で、検査結果よりタンパク質、ビタミンB6, 亜鉛、鉄不足と診断し、食事指導とサプリメント処方し改善
総蛋白 | 6.8 | → | 7.5 |
---|---|---|---|
AST | 13 | → | 23 |
ALT | 8 | → | 20 |
亜鉛 | 72 | → | 86 |
鉄 | 23 | → | 95 |
フェリチン | 2 | → | 35 |
症例 2
仕事のストレスが多く、食欲低下、夕方の眠気、イライラ、集中力低下、極度の倦怠感などの症状があった男性の方で、たんぱく、ビタミンB6、低血糖、副腎疲労症候群と診断し、一時的な休職、生活指導とサプリメント処方し改善。
総蛋白 | 6.5 | → | 7.3 |
---|---|---|---|
AST | 14 | → | 20 |
Cr | 0.75 | → | 0.9 |
総コレステロール | 135 | → | 180 |
血糖 | 72 | → | 81 |
DHEA | 低下 | → | 正常 |
コーチゾール | 朝、夕 低下→正常 |
オプション検査
遅延型アレルギー検査 | 約120種類の食品に対してアレルギーがあるか調べる検査、アレルギーのある食品の摂取を控えることで症状が改善します。 |
---|
症例 3
定期的に発熱、皮膚の腫瘤で通院していた方で検査を実施して、エビにアレルギーがあり、エビを食べるのをやめたら症状が改善、6か月後に再検査でエビのIgGは下がっていました。
料金 : 49,500円(税込)
副腎疲労検査 | 唾液と血液検査で副腎ホルモン等に異常がないか調べる検査、副腎ホルモンの分泌が減っている場合は、食事や生活を見直します、重症の場合は、一時的にホルモン剤を服用することで症状が改善します。 |
---|
症例 4
昇進とともに仕事のストレスが増え、残業が多くなった方で、睡眠時間を十分とっても起床時からひどい倦怠感、食後の眠気、週末は外出できないほど疲れていた方で、DHEAとコーチゾールを数か月服用、同時に糖質の制限とタンパク質の摂取を増やして症状は改善。
料金 : 41,000円(税込)
24時間持続血糖測定検査 | 専用センサーを2週間腕に装着して、24時間血糖を測定する検査、どの食品を食べると血糖が急激に上昇した後に下がるか、食べる食品の順番、一日の食事の回数など2週間の愛大に詳細な記録をつけることで血糖に影響する食品、食べ方がわかり体調管理に活かせます。 |
---|
症例 5
食後に眠気、倦怠感が出ていた方で血糖測定を始めて、糖質(白米、うどん、パンなど)を食べると一時的に血糖が症状した後に下がっていくことがわかり、昼食の糖質制限を初めて、午後の眠気、倦怠感が改善した。
料金 : 33,000円(税込)
腸内フローラ検査
腸内フローラ検査 | 便検査で腸内に生息する常在細菌の集合体である「腸内フローラ」を調べる検査です。「腸内フローラ」の乱れにより様々な病気にかかる危険が高まることも分かってきました。ご自身の「腸内フローラ」のバランスを知り、自分にあった食事や生活習慣の改善をすることが重要です。 |
---|
料金 27,500 円(税込)
検査の流れ
予約(メール 電話)
検査当日は6時間以上食事しないで来院。(お茶、水は飲んで頂いて構いません)
血液・尿検査
必要に応じて、オプション検査も実施します。
検査結果の説明
約2-3週間後に、解析レポートが完成しましたらご連絡します。医師から検査結果とサプリメント・生活改善の説明があります。
点滴・サプリメント
注射や点滴により、栄養素や薬剤を血管内に直接投与するため、口からビタミン剤やドリンク剤を飲むより早く、高濃度で体中の組織や細胞に浸透します。必要量を素早く補給できるため、効果が早く見られるという特徴があります。
当クリニックでは「にんにく注射」、「白玉(グルタチオン)点滴」、「総合ビタミン(ビタミンC入り)点滴」、「肝機能改善+総合ビタミン点滴」、「プラセンタ注射」、「プラセンタ+ビタミンC点滴」、「プラセンタ+総合ビタミン点滴」「キレーション点滴」「高濃度ビタミンC点滴」など、患者さまの体調や必要な栄養に応じて様々な点滴・注射を行っております。当クリニックでは医療機関向けに有効成分を高配合した高品質のサプリメントを取りそろえており、症状や血液検査の結果に応じて処方します。
白玉点滴
白玉点滴とは美白効果のある「グルタチオン」という成分を配合した点滴です。
グルタチオンは、3つのアミノ酸(グルタミン酸・システイン・グリシン)から成るトリペプチドで、肝臓では多くのグルタチオンが生成されます。シミやそばかすの原因であるメラニンの生成を抑える作用やすでにできてしまったシミの進行を抑える作用があります。
また、動脈硬化や老化の原因といわれる活性酸素を除去する抗酸化作用や毒素を排除する解毒作用もあります。
日本では、慢性肝疾患の歓喜の改善、皮膚炎、炎症後の色素沈着、薬物中毒、金属中毒などが保険適応となっています。
副作用:発疹、悪心、嘔吐、アナフィラキシーなど
所要時間
白玉注射 | 2〜3分 |
---|---|
白玉点滴 | 20〜30分 |
料金
白玉注射(グルタチオン200mg) | ¥2,090 |
---|---|
白玉点滴(グルタチオン600mg) | ¥5,500 |
白玉点滴(グルタチオン1200mg) | ¥8,800 |
高濃度ビタミンC
ビタミンCにはコラーゲン合成、抗ウイルス作用をはじめとして多くの働きがあり、レモンなどに含まれていることは皆様もご存知と思います。
しかし水溶性ビタミンのため、ビタミン剤を飲むなど一度に大量に摂取しても大部分は尿から排出されてしまいます。高濃度ビタミンCを静脈注射で直接血液に注入することで、ビタミンC本来のはたらきをより強く、効果的に得ることが期待できます。
高濃度ビタミンC点滴療法とは
2005年、アメリカの公的機関・国立衛生研究所(NIH)の科学者が「高濃度ビタミンC点滴療法は、ガン細胞に対してだけ選択的に毒性として働く」と発表しました。ビタミンCはもともと人体に必要な栄養ですから副作用がほとんどなく、抗ウイルス・ガン予防・抗ガン・アンチエイジングなどの作用が認められ、2006年よりアメリカで急速に広まった治療法です。 高濃度ビタミンC点滴療法は、サプリメントや内服薬では絶対に摂ることのできない大量のビタミンCを血液中に直接投与することで血中濃度を急激に上げ、がん治療の分野だけでなく、美肌・美白・アンチエイジングなどの美容効果や、疾患予防・改善、身体機能の改善の効果を得ることができます。 副作用は少なく安全ですが、進行した心不全・腎不全、人工透析中、先天性G6PD欠損症の方は高濃度ビタミンC点滴療法を行うことができません。
このような方におすすめ
- ガンなどの悪性疾患に対する補助療法に
➡手術・放射線などの標準治療の効果増大や副作用をやわらげます - 疲れ・だるい、やる気が出ないなどの慢性疲労症候群に
➡体調を整え、疲労の回復を早めます。 - 風邪の引きかけ、風邪をひきやすいに
➡免疫機能を向上させ、回復力・免疫力をアップさせます。 - シミ・くすみの改善、しわ・たるみなどのお肌のトラブルや予防に
➡抗酸化作用によって身体の内側からお肌を美しくします。
G6PD検査
G6PD異常症スクリーニング検査とは、赤血球膜G6PD活性の測定をするものです。
G6PD異常症というのは、伴性劣性遺伝を示す家族性溶血性貧血で、アフリカ黒人を中心に世界で数億人いると推測されています。
日本では約30年前に厚労省が行なった調査で約200例のG6PD異常症の報告があり、その後の調査では0.1〜0.5%との報告がなされています。
G6PD異常症は、25g以上の高濃度ビタミンC点滴で溶血性貧血発作の危険があるので、事前に検査が必要になります。
治療について
検査と診察
初回は、ビタミンC15gの点滴と血液検査・G6PD検査を行います。
高濃度ビタミンC療法
2回目以降は、血中ビタミンC濃度を調べながら、適切なビタミンCの量を決めて点滴を行います。
キレーション
キレーションとは、キレート剤を点滴などの投薬によって体内に蓄積された有害な重金属を排出する治療です。
近年は環境問題や海洋汚染などによって、ごく微量ながら空気や食べ物に鉛や水銀が含有しており、知らず知らずのうちに有害な重金属を摂取しています。キレーション治療を行うことで代謝機能を改善させ、血流を良くして動脈硬化を予防する働きもあります。
キレーションの歴史
キレーション治療は、もともとは鉛中毒患者の治療として1940年代からEDTAキレーション治療としてアメリカで研究がすすめられました。1950年代には、この治療法が鉛中毒患者の狭心症も改善したことからさらに研究がすすみ、動脈硬化などの心臓・血管の疾病に対する治療として応用されてきました。認知度が進むにつれ、この治療に参画するドクターも増え、1970年代には学会が発足し、安全で効果的な EDTAキレーション治療が確立されました。この学会は現在のACAM(American College for Advancement in Medicine)として統合医療の最新情報を発信しています。
キレーション治療と効果
EDTA(エチレンジアミン四酢酸)と呼ばれる合成アミノ酸をビタミンやミネラルと共に定期的に点滴することによって治療します。EDTAが金属イオンをキール(ギリシャ語でカニのはさみ)のように掴みとり結合する性質から、キレーションという名前がついたと言われています。
EDTAキレーション治療は、有害金属を取り除く効果だけでなく、抗酸化作用により動脈硬化で固くなった血管を若返らせ、柔らかく血流の多い血管へと変化させます。
抗加齢医学の領域でキレーション治療が注目される理由として、このような動脈硬化治療効果や有害金属の除去による様々な変性疾患の予防と治療効果が期待できる点が挙げられます。
米国NIH(National Institutes of Health、国立衛生研究所)における大規模調査により、心筋梗塞再発、脳卒中発症、冠動脈血行再建、不整脈による入院の有無すべての観点で効果があったという論文が2013年3月27日、JAMA(The Journal of the American Medical Association)にて発表されました。
副作用:頭痛、悪心、嘔吐、下痢、過敏症など
治療の流れ
検査と診察
キレーション療法を開始する前に、患者さまの動脈硬化度、活性酸素障害度などの検査を食生活を中心とした生活指導とあわせて行います。
キレーション療法
リラックスできる環境でゆっくりと時間をかけ(1〜3時間)点滴によるキレーション療法を週に1回実施します。
キレーション療法の継続
患者様の症状や目的によって異なりますが、おおよそ10~30週間、連続してキレーション療法を実施します。
再検査と診察
キレーション療法の実施後、動脈硬化度や活性酸素障害度がどのくらい改善したかを確認し、検査結果からさらにキレーション療法が必要かどうかを判断します。
その後、定期的に検査を行い、生活習慣の改善等のサポートを行います。
ビタミン点滴
ビタミンは人の生命維持に不可欠でありながら、ほとんどのビタミンが体内で合成することができないため、食事で摂取しなければなりません。ビタミンが不足すると身体機能や成長に障害が起きたり、ビタミン不足が原因で病気にかかることなども珍しくありません。現代は栄養事情は大きく向上しましたが、偏食やストレス、生活習慣の乱れなどを原因とするビタミンの不足が叫ばれています。身体が必要としているビタミンを点滴によって取り入れ疲労などの症状を速やかに改善しましょう。
ニンニク注射
ニンニク注射」という名称ですがニンニクを使用しているわけではなく、主成分であるビタミンB1がニンニクのにおいに似ているため一般的に「ニンニク注射」と呼ばれています。静脈注射によって直接栄養成分が短時間で全身に行き渡るため、疲労回復などに即効性があります。所要時間は、約5分ですので仕事の合間に注射することも可能です。
「疲れが取れない」、「ストレスが多い」、「飲酒量が多い」といった方にお勧めです。
副作用:過敏症、悪心、嘔吐など
マルチビタミン点滴
病気にならないためだけでなく、より健康で美しくいるためにも、ビタミン補給はとても重要です。
ビタミンが欠乏すると疲れやすくなり、集中力の欠如、肌荒れ、イライラなど、様々な悪影響があります。そのまま慢性的に不足すると視力低下、悪性貧血、アトピー性性皮膚炎など、様々な疾患の原因となります。ストレスの多い生活、極端なダイエット、偏った食生活などでビタミンは不足しやすくなります。不足しがちなビタミンを静脈から直接、体内に補給することですばやい効果を得ることができます。
副作用:過敏症、悪心、下痢、嘔吐など
高濃度ビタミンC+マルチビタミン点滴
特にお疲れの方におすすめなのは、ビタミンB群を中心にとした点滴ベースに高濃度のビタミンCを付加し、疲労の回復効果をより促進させるためにブレンドした点滴です。強い抗酸化作用があり、疲労回復だけでなく免疫力の向上やしみ・くすみや日焼け後の回復なども美肌効果ものぞめます。
副作用:過敏症、悪心、下痢、嘔吐など
プラセンタ
プラセンタとは、母体と赤ちゃんを結ぶ胎盤のことで、赤ちゃんの成長に必要なあらゆる物質が含まれています。その有効性は古くから知られており、医療の現場では肝機能障害や更年期障害の治療に用いられると同時に患者さまの肌の状態が改善されることから多くの美容皮膚科やアンチエイジングの分野で取り入れられています。
副作用:過敏症、注射部位の疼痛など
当クリニックのプラセンタ療法
プラセンタの投与には様々な方法がございますが、患者さまのご要望によって注射や点滴を行っています。お忙しい方には、1分程度でできる注射、ビタミンと一緒にご希望される方には点滴を行っています。
プラセンタには、ビタミン、ミネラル、アミノ酸、様々な細胞増殖因子といった豊富な栄養素が含まれています。プラセンタを投与することで、細胞の若返りや肝臓の機能向上といった全身の活性化が期待できるため、なめらかで潤いと弾力のある肌とアンチエイジング効果へとつなげることができます。
プラセンタ+αのスペシャルケア
当クリニックのプラセンタ点滴には「プラセンタ+ビタミンC」点滴、「プラセンタ+総合ビタミン」点滴タイプもございます。
ビタミンCには疲労回復・抗酸化効果がございます。ホルモンバランスを整え免疫力を向上させ「細胞レベルからの若返り」といったアンチエイジングケアが期待出来ます。免疫力が向上することによって、風邪や花粉症、がんなどの幅広い病気に対して身を守ります。また、ストレスの軽減にもつながり、心も身体も健康でいられます。
詳しくは当クリニックまでご相談くださいませ。
副作用:過敏症、悪心、下痢、嘔吐など