禁煙外来
保険診療で受けられる禁煙治療
自分の意思だけでは、禁煙治療が難しい場合は禁煙外来の受診をおすすめします。
当院では、内服薬(チャンピックス)や貼り薬(ニコチネルTTS)による禁煙治療を実施しています。現在、服用中のお薬や副作用を考慮し、最適な薬剤の選択や量を調整いたします。
喫煙による健康被害
因果関係を推定するのに十分な科学的根拠がある疾患
因果関係を示唆されているが、科学的根拠が不十分な疾患
- ■脳の健康被害
- ・脳卒中 ・ニコチン依存症
- ■頭頸部の健康被害
- ・口腔がん ・咽頭がん ・喉頭がん ・鼻腔がん ・副鼻腔がん ・食道がん ・歯周病
・う蝕(虫歯) ・口腔インプラントの失敗 ・歯の喪失 - ■心肺機能、胸部の健康被害
- ・肺がん ・慢性閉塞性肺疾患(COPD) ・呼吸機能低下 ・虚血性心疾患
・気管支喘息(発症、増悪) ・結核(発症、再発) ・乳がん ・胸部大動脈瘤 ・特発性肺線維症 - ■消化器系の健康被害
- ・胃がん ・肝臓がん ・膵臓がん ・腹部大動脈瘤
・大腸がん - ■生殖器、排泄器の健康被害
- ・子宮頸がん ・尿路がん(膀胱)
・前立腺がん ・子宮体がん ・尿路がん(腎盂尿管、腎細胞がん) - ■骨の健康被害
- ・閉経後女性の骨密度低下 ・大腿骨近位部骨折
- ■その他の健康被害
- ・がん患者の二次がん罹患 ・末梢性の動脈硬化症 ・結核 ・2型糖尿病の発症
・白血病 ・がんの再発、治療効果低下 ・関節性リウマチ ・認知症
「治療を受けて見たいが、病院の禁煙外来は費用が高額になる」
と思っている方も沢山いらっしゃると思います。
しかし、ニコチン依存症は病気であると認識されるようになり、一定の条件の元禁煙治療は保険診療で受けられます。
仮に、自己負担が3割の場合は、約3ヶ月の治療期間で1万〜2万円程度(※)で治療を受けられます。
※使用する薬により変動しますので、ご留意ください。
オンラインでの禁煙治療も実施しておりますので、お気軽にご相談ください。
保険診療が可能となる条件
以下の条件を満たした方は保険診療による治療が可能です。
- 1・ニコチン依存症の判定テスト(TDS)が5点以上の方 ※1
- 2・35歳以上の方の場合、ブリンクマン指数(1日の喫煙本数×喫煙年数)が200以上であること ※2
- 3・禁煙をただちに始めたいと思っている方
- 4・文書で禁煙治療を受けることを同意している方
※1:ニコチン依存症管理料は、初回の算定日より数えて1年を超えた日からでなければ、再度算定することはできません。
入院中の患者さんの場合、ニコチン依存症管理料を算定できません。ただし、薬剤料のみ算定できる場合がありますのでご注意ください。
※2:電子タバコの場合、葉を含むスティックを直接加熱するタイプはスティック1本を紙巻タバコ1本として換算
タバコ葉の入ったカプセルやポッドに気体を通過させるタイプは1箱を紙巻タバコ20本として換算
睡眠時無呼吸外来
睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは
睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome)とは、その名の通りに睡眠時に呼吸が止まり、それに伴い日常生活において様々な不調を引き起こす疾患です。
AHI(Apnea Hypopnea Index)という一晩(7時間)の睡眠中で1時間あたりの無呼吸や底呼吸(浅い呼吸をしている状態)の頻度を元に重症度を表します。
AHIが5回以上あり、日中の眠気など、自覚症状がある場合、睡眠時無呼吸症候群(SAS)と診断されます。
AHI(Apnea Hypopnea Index) | 重症度 |
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5〜14回 | 軽症 |
15〜29回 | 中等症 |
30回以上 | 重症 |
多くのSASは『閉塞型睡眠時無呼吸症候群(閉塞型SAS)』と呼ばれる病態が多いです。これは気道が塞がれたり、狭まったりすることで起こります。
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健康な人の気道
眠っている時は重力の影響で、軟口蓋、舌根、咽頭蓋が下がり、気道は狭くなります。
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SAS患者さんの気道閉塞
鼻や喉に何か異常があると慢性的に気道が狭くなり、時には気道が塞がり呼吸をしにくくなります。
CPAP(シーパップ)療法
CPAP療法とは
CPAP(Continuous Positive Airway Pressure)療法は就寝時に鼻にマスクを装着し、マスクから空気を送り込む治療法です。SASの治療法としては広く浸透しています。
通常、息を吸うとき空気は鼻、のど、気管、肺と順番に流れ込みます。しかしSASの患者さんの場合、のどの柔らかい組織が内側に引き込まれて気道を塞いだり、狭めてしまうので空気の流れが悪くなってしまいます。
そこでCPAPを使い空気を送り込むことで、気道を塞いでいる柔らかい組織を風圧で押し開いて気道を確保します。すると患者さんはスムーズに呼吸ができるようになります。
CPAP療法の効果
CPAP療法を適切に行えば、ほとんどの患者さんは睡眠中のいびきや無呼吸が改善されます。治療を続けることで、朝の目覚めが良くなる、日中の眠気も軽くなる、夜間のトイレの回数が減るなど、SASの症状の改善が期待されます。
また、重度のSASの患者さんはCPAPを使った方がより長生きするということもわかってきました。